2026.05.12

GA4でコンバージョン0、Google広告ではCVがある理由と計測設計

GA4でコンバージョン0、Google広告ではCVがある理由と計測設計

GA4 のコンバージョンが 0 でも、Google 広告の管理画面にコンバージョンが出ているなら、多くの場合それは「広告が効いていない」のではなく「数え方が違う」だけです。Google 広告は、広告を見ただけの人や動画を視聴しただけの人が後日サイトに来て申し込んだ件数(ビュースルー コンバージョン・エンゲージ ビュー コンバージョン)まで数えますが、GA4 は原則として、広告をクリックしてサイトに来た訪問しか広告に結び付けません。

この記事は、指定URLターゲティングを提供する Targety(ターゲティ、提供: Talenty合同会社)の公式解説です。GA4 と Google 広告で数字が食い違う理由から、「0」を誤読しないための指標の二層設計、Targety タグで読了と中間コンバージョンを計測する設計までを、導入 700 社超(提供元公表値、2026 年 8 月)の運用で見てきたことを交えて説明します。

執筆・監修: Targety 運用チーム(Talenty合同会社)|初出 2026 年 5 月・2026 年 8 月全面改稿

なぜ GA4 ではコンバージョン 0 なのに、Google 広告では計上されるのか?

答え: 「何を広告の成果と数えるか」「いつの成果として数えるか」「訪問をどこまで追えるか」の 3 点で、GA4 と Google 広告の基準が違うからです。どれも設定ミスではなく仕様の差で、クリックされにくいディスプレイ広告や動画広告ほど差は大きく出ます。

観点 Google 広告の管理画面 GA4
何を広告の成果と数えるか クリック後のコンバージョンに加え、広告を見ただけの人(ビュースルー)や動画を視聴しただけの人(エンゲージ ビュー)が後日達成したコンバージョンも数える 原則、広告をクリックしてサイトに来た訪問に結び付いたキーイベントだけ。広告が表示されただけの貢献は結び付かない
いつの成果として数えるか 標準の [コンバージョン] 列は、コンバージョンにつながったクリックが発生した日で計上 キーイベントが発生した日で計上
訪問をどこまで追えるか 広告のクリックや表示を起点に Google 側で計測 サイトに置いた GA4 のタグで計測。読み込み前の離脱やトラッキング防止で、セッションが記録されないことがある

1. Google 広告は「見ただけの人」の後日コンバージョンも数える

Google 広告のビュースルー コンバージョンは「広告を見たものの操作をしなかったユーザーが、その後サイトを訪れて達成したコンバージョン」で、[コンバージョン] 列には含まれず、[ビュースルー コンバージョン] 列と [すべてのコンバージョン] 列に載ります(Google 広告ヘルプ「ビュースルー コンバージョンについて」)。動画では、スキップ可能なインストリーム広告を 10 秒以上視聴してクリックせず、3 日以内(ウェブのコンバージョンの場合)にコンバージョンした件数が、エンゲージ ビュー コンバージョンとして [コンバージョン] 列に入ります(同「エンゲージ ビュー コンバージョンについて」)。

GA4 の側も、既定のデータドリブンではクリックだけを見るわけではありません。同ヘルプでは、広告を 30 秒間(30 秒未満の広告は最後まで)視聴したエンゲージド ビューもクレジットの対象と説明されています(Google アナリティクス ヘルプ「アトリビューションのスタートガイド」)。ただしバナーの表示(ビュースルー)は対象外で、動画も数える秒数が Google 広告側(スキップ可能なインストリーム広告で 10 秒以上)と違うため、同じ数字にはなりません。

2. Google 広告は「クリックした日」、GA4 は「申し込んだ日」で数える

月末にクリックして翌月に申し込んだ 1 件は、Google 広告の標準の [コンバージョン] 列ではクリックした月に、GA4 では申し込んだ月に載ります。達成日時で見たいときは Google 広告の [コンバージョンの日時] 列を使います(Google 広告ヘルプ「新しい列を使ってコンバージョンを日時別に把握する」)。Targety のレポートも Google 広告が土台なので、同じ差が出る。

3. GA4 のセッションは、途中で途切れることがある

広告をクリックしても、ランディングページのトラッキング コードが読み込まれる前にブラウザを閉じた場合や、トラッキングを阻むアドオンを使っている場合、GA4 にセッションは記録されません(Google アナリティクス ヘルプ「Google 広告と Google アナリティクスのクリック数とセッション数の不一致: トラブルシューティング」)。アプリ内ブラウザやトラッキング防止機能で、広告のクリック数と GA4 のセッション数が合わない相談も珍しくない。

初回の訪問と後日の訪問が同じ人として結び付かなければ、広告の貢献はそこで途切れ、後日の申し込みは「ノーリファラー」や「検索」の成果として載ります。Cookie 規制の全体像は「リマーケティング広告とは」「行動ターゲティング広告とは」を参照してください。

動画を見て、後日検索して申し込んだ人は、どこに計上されるのか?

答え: Google 広告では動画広告のエンゲージ ビュー コンバージョン(バナーならビュースルー コンバージョン)として広告に、GA4 では「検索」経由のキーイベントとして計上されます。同じ 1 件の申し込みが、2 つの画面で別の名前で数えられている状態です。

動画視聴から後日検索して申し込むまでのジャーニーと、Google広告とGA4での計上先の違いを示す図。①スマートフォンでYouTube動画広告を視聴しクリックしない ②数日後にPCでサービス名を検索 ③公式サイトで資料請求、の3段階に対し、Google広告は①に紐づけてエンゲージビューコンバージョン(バナーならビュースルーコンバージョン)として計上し、②の自然検索は記録しない。GA4は②の検索に紐づけて検索経由のキーイベントとして計上し、①はバナーの表示なら記録がない(動画は連携時のみgoogle/cpcで記録)
図1: 同じ 1 件の申し込みでも、Google 広告は「動画を見た接点」に、GA4 は「検索した接点」に結び付ける。バナーの表示は GA4 に記録が残らない

①の表示がバナーなら GA4 に届かず、GA4 では②の検索の成果になります。動画の場合は、Google 広告と GA4 を連携しエンゲージ ビュー コンバージョンの計測が有効なら GA4 にも google / cpc として残りますが、数える秒数(Google 広告 10 秒/データドリブン 30 秒)が違うため件数は一致しません。裏返せば、GA4 の検索経由キーイベントの増加には、ディスプレイ広告や動画広告の貢献が含まれている可能性がある。運用チームに届く相談で印象に残っているのは、Targety の配信を始めてから検索広告のコンバージョン率が上がった、というものでした。管理画面の上では別々の施策でも、見込み客の中では一つの流れです。

二重に数えているわけではない。それぞれの基準で同じ 1 件を 1 回ずつ数えているだけなので、両方を足して報告しない。どちらを主、どちらを補助にするかを先に決めます。

「コンバージョン 0 = 効いていない」と誤読しないための、指標の二層設計

先に決めておくのは、最終成果を示す「主 KPI」と上流の貢献を示す「準 KPI」を分け、ディスプレイ広告と動画広告は準 KPI の動きと合わせて判断する、というルールです。配信を始めてから決めると、「0」を見た時点で議論が「止めるか続けるか」に流れます。

主KPIと準KPIの二層設計図。上段の主KPI(最終成果)にはGA4のキーイベント(直接)とGA4のデータドリブン アトリビューションで見た広告の貢献、下段の準KPI(上流の貢献)にはGoogle広告のビュースルーコンバージョンとエンゲージビューコンバージョン、Targetyタグの読了数と読了率、指名検索の推移(GA4の検索経由キーイベント・Search Console)が並ぶ。準KPIが先に動き主KPIが後から追いつく矢印と、足さない・同じ期間で並べる・判断日を先に決めるの3ルールが添えられている
図2: 主 KPI は「何件申し込まれたか」、準 KPI は「その手前で何が起きたか」。準 KPI が先に動き、主 KPI が後から追いつく

主 KPI: 最終成果

GA4 のキーイベント(資料請求・問い合わせ・購入など)の件数と、GA4 のアトリビューション(既定のデータドリブン)で見た広告チャネルの貢献。経営層に最初に見せる数字。

準 KPI: 上流の貢献

  1. Google 広告のビュースルー コンバージョンとエンゲージ ビュー コンバージョン: 見ただけの人の後日コンバージョンは [ビュースルー コンバージョン] 列を追加して確認します([コンバージョン] 列には入りません)。視聴しただけの人の後日コンバージョンは [コンバージョン] 列にすでに含まれているため、分けて見るときは分類の [広告イベントタイプ] を使います。
  2. Targety タグの読了数・読了率(管理画面とレポートでは「エンゲージメント」と表示されます): クリックした人が、ページを画面に表示したまま読み、スクロールしたか。クリックの「質」を見る指標です。Targety タグの読了は、別タブに切り替えている間は時間を数えません。GTM の標準のタイマー トリガーや GA4 の拡張計測のスクロール数(最下部 90% 到達で 1 回のみ記録)とはここが違い、放置した時間を含む値で最適化すると配信は放置する人の側に寄ります。条件の決め方、中間コンバージョンの置き方、LP 改善への使い方は「読了(エンゲージメント)計測ガイド」にまとめました。
  3. 指名検索の推移: GA4 の検索経由キーイベントと Search Console のサービス名検索を、配信開始の前後で並べる。動画広告やバナーの貢献が最も素直に表れる場所です。

指名検索は、公表している結果でも成果指標にしています。全国展開のビジネスホテルチェーンでは、指定URLターゲティングの導入後に指名検索数 300% 増を公表しました(提供元公表値。各社の環境での結果で、同じ成果を保証するものではありません)。

運用の 3 ルール

第一に、主 KPI と準 KPI を足さない。第二に、準 KPI は絶対数ではなく、配信開始前後の同じ長さの期間で並べる。第三に、判断する日を配信前に決め、配信方式の学習が終わる前に止めない(学習期間の目安は「指定URLターゲティングとは」の運用の章を参照)。報告は「主 KPI の増減 → 同じ期間の準 KPI の動き」の順で組みます。主 KPI がまだ動いていなくても、準 KPI が動いていれば「効いていない」ではなく「手前まで来ている」と説明できる。

Targety でコンバージョンを計測するには、何を設定すればよいのか?

答え: 対応するプランで Targety タグを発行し、サイトの全ページに設置したうえで、完了ページ(サンクスページ)の URL を管理画面でコンバージョンに登録する、の 2 つです。タグはページごとに別のものを置く必要はなく、同じ 1 本を全ページの head、または GTM 経由で設置します。

  1. タグを全ページに置く: 直接貼るなら全ページの head 内、GTM ならカスタム HTML でトリガーを「Initialization – All Pages」にします。完了ページだけに置くと、読了も経路も計測できない。設置後は Chrome の開発者ツールの Network タブで「global.js」の読み込みを確認します。
  2. 完了ページの URL をコンバージョンに登録する: 管理画面の「カスタマイズ」で、「/thanks/contact」のような完了ページの URL を登録します。フォーム到達などの中間コンバージョンも同じ画面で登録できる。
  3. GA4 と突き合わせるときは utm_campaign と utm_content を使う: Google ディスプレイ ネットワーク経由のアクセスでは、utm_source が「google」、utm_medium が「cpc」に自動で上書きされます。上書きされない utm_campaign と utm_content で識別してください。レポートは最大 12 時間ごとの更新なので、同じ日の比較では差が出ます。

「GA4 では 0 なのに」という相談で、運用チームが最初に確認するのは、タグが全ページに入っているかと、完了ページの URL が登録されているかの 2 点です。タグを設置していないプロジェクトのコンバージョン 0 は、計測していないだけで、成果がゼロという意味ではありません。

Targety のレポートのコンバージョンには、Google 広告側で計測されたビュースルー コンバージョンとエンゲージ ビュー コンバージョンも含まれるため、GA4 で同じ広告に結び付いたキーイベントより多くなるのが普通です(GA4 全体のキーイベント数との比較ではありません)。コンバージョン計測の可否と、配信を何に最適化できるか(表示回数・クリック・読了・コンバージョン)はプランで異なるため、対応範囲は公式解説ページの料金プランと選び方をご確認ください。

Targety は、Google 広告の公式機能を土台に、独自の仕組みで購買意向の強い層へ配信を寄せています。同じ URL を指定しても、誰に寄せるかで結果は変わります。対象の推定は Google 広告側の同意済みの行動シグナルに基づくもので、精度は保証されません。データの流れは「競合サイトの訪問者に広告を出す仕組み」で図解しています。

公表している事例では、クラウド POS レジの提供企業のデモ申し込み・アカウント開設数 130% 増、不動産業界向け住宅ローン SaaS の資料請求・問い合わせ 115% 増という結果が出ています(いずれも提供元公表値。各社の環境での結果で、同じ成果を保証するものではありません)。ほかの業種は導入事例一覧にあります。

よくあるご質問

Q. GA4 のコンバージョンが 0 なら、ディスプレイ広告は止めるべきですか?

すぐに止める判断はおすすめしません。先に Google 広告で [ビュースルー コンバージョン] 列を追加し、[コンバージョン] 列の内訳を分類の [広告イベントタイプ] で確認して、Targety タグの読了率と、配信開始前後の指名検索の推移を並べてください。準 KPI が動いていれば、申し込みの手前まで効いている状態です。

Q. Google 広告と GA4 のコンバージョンは、どちらが正しいのですか?

どちらも正しく、基準が違うだけです。Google 広告は広告を見た人・視聴した人の後日コンバージョンも数え、GA4 はクリックしてサイトに来た訪問に結び付いたキーイベントを数えます。どちらかを主 KPI、もう一方を準 KPI と決めて使い分け、両方を足して報告しないでください。

Q. 月次レポートで、Google 広告と GA4 の月の数字が合いません。

Google 広告の標準の [コンバージョン] 列はクリックが発生した日、GA4 はキーイベントが発生した日で計上するためです。月末にクリックして翌月に申し込んだ人は、別の月に載ります。Google 広告の [コンバージョンの日時] 列を使うと、コンバージョンを達成した日時で並べて比べられます。

Q. Targety タグを置けば、GA4 のタグは不要になりますか?

不要にはなりません。役割が別です。Targety タグは Google の計測用スクリプト(gtag.js)を読み込む計測タグで、Targety の管理画面に表示する読了とコンバージョンを計測します。GA4 はサイト全体の分析ツールとしてそのまま使います。なお、Targety タグを設置すると Google 社による Cookie 等の情報収集が行われるため、プライバシーポリシーへの記載など、適用される法令やガイドラインに沿った措置が必要です。

Q. Targety のコンバージョン計測は、どのプランでも使えますか?

プランによって異なります。読了の計測、コンバージョンの計測、コンバージョンを対象にした配信の最適化は、それぞれ利用できるプランが分かれています。月額固定制で、初期費用と最低利用期間 3 ヶ月がある点は共通です。最新の対応範囲と料金は公式解説ページの料金プランと選び方をご確認ください。

次の一歩: 今日できる確認は 3 つです。Google 広告のレポートに [すべてのコンバージョン] 列と [ビュースルー コンバージョン] 列を追加する。GA4 の検索経由キーイベントを、配信開始の前後で同じ長さの期間で並べる。Targety タグが全ページで読み込まれているかを、Chrome の開発者ツールで「global.js」を検索して確かめる。迷う場合はお問い合わせから GA4 と Google 広告の画面の状況をお知らせください。差の出どころと、主 KPI・準 KPI の組み方をお返しします。Targety の全体像は「Targety(ターゲティ)とは」にまとめています。

仕組み・料金体系・導入の流れをまとめた資料を用意しています。

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