
Cookie規制で過去の行動履歴を追う広告が使いにくくなった今、属性や履歴のリストに加えて「どのURLに関心を持つ層か」を軸に配信対象を作る方法が有効です。URLを起点にすると、Cookieに依存しにくく、比較・検討中の層に広告を届けやすくなります。
Cookieへの制限が進むなかで、「精度が落ちた」「CPAが上がってきた」という声は広告運用の現場で珍しくなくなりました。一方で、代わりの具体的な手を打てている企業はまだ多くありません。
ターゲットの「探し方」
そのものにあります。
この記事では、古くなったリストだけに頼る運用から、ユーザーが「今、どんなページに関心を持っているか」を手がかりにする運用へ移るための考え方と、実践的な方法を説明します。
リスト広告とは
例えば、自社サイトを訪問したユーザー、商品を購入したユーザー、一定の年齢や興味関心に該当するユーザーなどを配信対象として設定します。
不特定多数へ広告を配信する場合と比べて、自社の商品やサービスに関心を持つ可能性が高いユーザーへアプローチしやすい点が特徴です。
条件で作ったユーザーリストをもとに配信する広告
リスト広告では、Webサイトの訪問履歴や顧客情報、広告プラットフォームが保有する属性・興味関心データなどをもとに配信対象を絞り込みます。
代表的なものに、一度自社サイトを訪れたユーザーへ再度広告を表示する「リターゲティング広告」があります。
また、自社が保有する顧客情報と広告媒体のデータを照合し、既存顧客や類似するユーザーへ広告を配信する方法もあります。
リスト広告で使用される主なデータ
リスト広告に使用されるデータは、大きく以下のように分けられます。
| データの種類 | 主な内容 | 活用例 |
|---|---|---|
| 自社保有データ | 購入履歴、問い合わせ履歴、会員情報など | 既存顧客への再提案 |
| Web上の行動データ | 自社サイトの訪問・閲覧履歴など | リターゲティング広告 |
| 属性・興味関心データ | 年齢、性別、関心のある分野など | 見込み客への認知拡大 |
| URLを起点としたデータ | 指定したWebページに関心を持つユーザー層 | 比較・検討中の層へのアプローチ |
これらは、どれか一つだけを選ぶものではありません。広告の目的やユーザーの検討段階に応じて組み合わせることで、配信対象をより適切に捉えられます。
Cookie規制によって生じている変化
従来のリスト広告では、Cookieを利用してユーザーの閲覧履歴を把握し、広告配信に活用する方法が広く用いられてきました。
しかし、プライバシー保護を目的としたCookieへの制限が進み、過去の行動履歴だけをもとにユーザーを追跡することが難しくなっています。
だからといって、既存の顧客リストや属性データが不要になるわけではありません。これからは従来のデータを引き続き活用しながら、それだけでは捉えにくいユーザーを別のデータで補う考え方が重要です。その一つが、URLを起点とした広告配信です。
デジタル広告を取り巻くCookie規制とリスト作成の現状
「リターゲティングの精度が落ちた」
「以前と同じ運用では成果が出なくなった」
このように感じている広告担当者は増えており、その背景にはデジタル広告を支えてきた仕組み自体の変化があります。
まずは現状を整理し、何が起きているのかを正確に把握しておきましょう。
サードパーティCookieの制限はどこまで進んでいる?
ここ数年、デジタル広告の土台が少しずつ変わってきました。その中心にあるのが、サードパーティCookieへの制限です。
プライバシー保護の観点から、ブラウザごとにサードパーティCookieの扱いが分かれています。Google Chromeは当初の廃止計画を見直し、2025年4月22日には、サードパーティCookieを使うかどうかを利用者が設定画面で選ぶ今の方式を続け、新たな選択画面も出さないと発表しました(Google Privacy Sandbox 公式ブログ)。続く2025年10月17日には、Topics API など Privacy Sandbox の多くの技術を終了する方針も示しています(同ブログ)。経緯は「サードパーティCookie廃止はどうなった?」で詳しくまとめています。
一方、AppleのSafariは2020年3月から、サードパーティCookieを既定で全面的にブロックしています(WebKit公式ブログ)。Chromeの方針にかかわらず、Safariを使うiPhoneユーザーにはCookieを使ったリターゲティングが届きにくい状態です。
StatCounterの集計では、2026年9月の日本のモバイルOSのシェアはiOSが約6割です(StatCounter)。この影響は無視できません。
さらに、2022年4月に施行された改正個人情報保護法(個人情報保護委員会)では、Cookieなどの「個人関連情報」を、提供先が個人データとして取得することが想定される場合に第三者へ渡すとき、本人の同意が得られているかを確認することが提供元に求められるようになりました。ユーザーが追跡を拒否する選択肢を持つようになり、リターゲティングリストの母数は縮みやすくなっています。
「ユーザーが過去にどのサイトを訪れたかを追跡し、その興味関心をプロファイリングして広告を出す」という従来のリターゲティングやオーディエンスターゲティングは、こうした環境変化で精度を保ちにくくなっています。リターゲティングの仕組みと今の使いどころは「リマーケティング広告とは?」で解説しています。
従来の「属性リスト」による広告運用の限界と精度低下
Cookie規制の影響を受けながらも、多くの広告運用の現場では依然として属性データを中心としたターゲティングが続けられています。しかし、この手法もまた、構造的な限界に直面しています。
「30代・男性・会社員」といったデモグラフィック情報は、あくまでそのユーザーの「器」を表すに過ぎません。同じ属性を持つ人でも、今この瞬間に抱えている課題や購買意欲は大きく異なります。
属性データは、認知拡大や潜在層へのアプローチに有効です。ただ、属性だけではユーザーが今抱えている課題や購買意欲までは判断しにくく、配信対象が広がりすぎることがあります。広告の目的によっては、行動データなどを組み合わせて補うとよいでしょう。
価値観が多様化した現代では、同じ属性であっても趣味嗜好や購買動機は人によって大きく異なります。
属性という「器」だけでは、ユーザーが動く理由である「動機」までは捉えにくいのです。
深刻化するリストの形骸化
属性データの精度問題に加えて、もう一つ見落とされがちな課題があります。それが、作成したリストの「鮮度」の問題です。
苦労して構築したハウスリストは、作成した瞬間から鮮度が落ちていきます。一度「ターゲット」として抽出したリストの多くは、実際にアプローチする頃にはすでに購買フェーズが変わっており、形骸化していることが少なくありません。
購入済みのユーザー、関心を失ったユーザー、状況が変わったユーザーへの広告配信は、費用のむだになりがちです。古いリストに頼り続けると、本来届けたい「今、関心が高い層」に回す予算も圧迫されます。
過去の記録を活用しつつ、「現在進行形で検討中のユーザー」を捉える仕組みを組み合わせることが、これからのリスト広告には求められます。
なぜ「属性」に加えて「競合サイトのURL」でリストを作るのか?
こうした課題を補う方法として注目されているのが、属性に加えて「URL」を軸にしたターゲティングの考え方です。
「どんなページに関心を持つ層か」という情報は、属性データだけでは見えにくい、今の関心や検討状況を補う手がかりになります。
「属性」と「ニーズ」のずれを補う
例えば、同じ「経営者」という属性でも、ある人は業務効率化のツールを求め、ある人は新規事業のためのリード獲得を模索しています。
属性という大まかな括りだけで配信すると、メッセージが響く相手はどうしても限られます。
一方、「競合製品の比較ページに関心を持つ層」という具体的な行動(URL)を起点にすると、話が変わってきます。
こうしたページに関心を持つ層は、すでに課題を認識し、解決策を比較検討している段階にいる可能性が高いと考えられます。
属性データにURLという行動の手がかりを加えると、ユーザーの今のニーズを具体的に捉えやすくなります。
URLを起点にするとCookie規制の影響を受けにくい理由
URLベースのターゲティングが持つもう一つの強みは、Cookie規制の影響を受けにくい点です。
サードパーティCookieを使った従来のリターゲティングは、ユーザーの個人的な「足跡」を横断的に追跡することで成立していました。しかしこの手法は、規制の強化で精度を保ちにくくなっています。
URLを軸にしたアプローチは発想が異なります。個人の足跡を追いかけるのではなく、「指定したURL」に関心を持つユーザー層として配信対象を捉えます。
自社サイトの訪問履歴を追いかける仕組みではないため、過去の追跡データに依存しにくく、規制環境の変化も受けにくい方法です。
比較検討の「最終プロセス」を可視化する
ユーザーが購買を決断するまでには、一般的にいくつかのチェックポイントがあります。
B2Bであれば競合サービスの導入事例ページや料金表、B2Cであれば具体的な悩みを解決する記事や比較まとめサイトなど、「購買直前のユーザーが通りやすいURL」があります。
こうしたURLをリストにしておくと、コンバージョンに近い「今すぐ客」がどこに関心を向けているかが見えてきます。
属性分析だけでは見えにくい、今まさに購買を検討している層に、URLという具体的な手がかりから近づけます。どのURLを選ぶかの考え方は「ターゲットサイト(指定URL)の選び方」で解説しています。
競合URLのリストを広告配信に生かすには?
URLリストを使ったターゲティングの考え方は有効ですが、実際の広告配信に落とし込む段階では、設定の手間や運用の負担が壁になることもあります。
その手間を減らすツールとして、「Targety」を紹介します。検索広告やリターゲティングを置き換えるものではなく、それらでは届きにくい層を補う使い方が基本です。
リスト化したURLを指定して配信する
Targetyは、指定したURLをもとに、Google広告のオーディエンス機能をAPIで自動作成・運用するツールです。
配信対象はTargetyが個人を識別して作るのではなく、Google広告が保有するシグナル(同意済みデータ等)をもとに推定されます。Targetyが個人データを取得することはありません。
Google広告の公式機能を土台に、独自の仕組みで購買意向の強い層へ配信を寄せています。同じ URL を指定しても、誰に寄せるかで結果は変わります。仕組みの詳細は「指定URLターゲティングとは?」で解説しています。
指定
Google広告の
オーディエンスを
APIで自動作成
シグナルを
もとに配信対象
を推定
属性から「どんな人か」を推測するだけでなく、「どんなページに関心を持つ層か」という行動の手がかりから配信対象を作れます。
「競合からの乗り換え(リプレイス)」を後押しする
Targetyの使い方として相性がよいのが、競合サービスからの乗り換えを促すリプレイス戦略です。
競合サービスの料金ページ、サービス比較の記事、乗り換え方法を解説したページなどのURLを指定すると、こうしたページに関心を持つユーザー層、つまり乗り換えを検討し始めた可能性のある層へ配信を寄せられます。
他社への不満が高まり、乗り換えを意識し始めた層に、他のサイトや YouTube を見ているときに自社の広告を表示できます。設定は「競合サイトのURLを指定する」という操作が中心です。
「他社比較層」を自社サイトへ引き込む
購買を検討中のユーザーは、複数のサービスを比較しながら意思決定を進めます。
比較サイト、レビューメディア、テーマごとの解説記事などに関心を持つユーザーは、選択の最終段階にいることが多いと考えられます。
こうしたURLを指定すると、ユーザーが意思決定を下す前に自社の強みを伝え、比較の候補に入りやすくなります。
他社を比較している途中で自社を知ってもらうための接点として、Targetyを使えます。
URLを基準に配信対象を決めて広告費のむだを減らす
「誰に届いているかわからない」という広告運用の不安を和らげられるのも、URLを起点とした配信の強みです。
Targetyは配信対象をURLという分かりやすい基準で決めるため、関心の低い層への配信を減らしやすくなります。成約に近い層へ予算を寄せることで、費用対効果の改善が期待できます。
また、画像素材とテキストを入稿するだけで最短1分で最大750通りのバナーを自動生成できる機能もあり、クリエイティブ制作の手間を抑えながらPDCAを回せます。
まとめ
Cookieへの制限が進むなかで、従来の「属性リスト」や「過去の行動データの追跡」だけに頼る広告運用は、精度と効率を保ちにくくなっています。対策を後回しにしているうちに、競合との差が開くこともあります。
打開策の一つは、ターゲットの「探し方」を変えることです。
古くなったリストだけを追いかけるのではなく、「どのURLに関心を持つ層か」という行動の手がかりを起点にすると、Cookie規制の影響を受けにくく、成約に近い層へ広告を届けやすくなります。
既存の顧客リストや属性データに「URLでリストを作る」発想を加えることが、これからの広告運用で差をつける手段になります。手間をかけずに実践したい方は、「Targety」の活用をご検討ください。
競合サイトのURLに関心を持つユーザー層への配信で、広告運用の成果づくりをお手伝いします。