2026.10.15

市場調査の手法と手順|種類別の選び方と調査結果を集客に活かす方法を解説

市場調査の手法と手順|種類別の選び方と調査結果を集客に活かす方法を解説

市場調査は、数値で傾向をつかむ「定量調査」と、理由や本音を探る「定性調査」を目的に応じて使い分け、「目的の明確化→対象の選定→調査票の作成と実査→集計・分析→施策への反映」の5ステップで進めます。手法選びより先に「何を明らかにしたいか」を決めることが、調査結果を売上につなげるいちばんの近道です。

新しいサービスを立ち上げる前に競合との違いを確かめたいときや、販促施策を見直したいときも、判断の根拠になるのは市場調査のデータです。

しかし、「どこから手をつければいいかわからない」「調査したはいいが結果を活かしきれていない」、といった悩みを抱えるマーケティング担当者は少なくありません。

この記事では、市場調査の定義、手法の種類と選び方、実施手順、調査結果を売上につなげる活用方法までを順に説明します。

市場調査とは何か?

市場調査とは、顧客のニーズ・競合他社の動向・市場規模などを、客観的なデータとして把握するための活動です。

定義を正しく理解しておくことで、調査の目的や範囲を適切に設定できるようになります。

市場調査の重要性

市場調査が必要とされるのは、意思決定の根拠をそろえるためです。

感覚や経験則だけで意思決定を行う場合、投資の方向性がズレるリスクは高まります。

一方、市場調査によって裏付けられたデータがあれば、新規事業の立ち上げ、商品・サービスの開発、販促施策の設計といったあらゆるビジネス判断の精度を高め、失敗のリスクを小さくできます。

「何となく売れそう」という直感と、「この層のこのニーズを捉えている」というデータに基づく判断では、その先の結果に大きな差が生まれます。

市場調査は、こうした判断に根拠を与えるための手段です。

市場調査とマーケティングリサーチの違い

「市場調査」と「マーケティングリサーチ」は混同されがちですが、その範囲には違いがあります。

市場調査は、現在の市場や顧客の状況という「事実」を把握する作業です。「今、何が売れているか」「どのような不満を顧客が抱えているか」といった現状の情報収集がメインとなります。

一方、マーケティングリサーチはより広い概念であり、市場調査を包含しながら、収集したデータをもとに未来の予測や戦略立案まで含む活動を指します。

つまり、市場調査はマーケティングリサーチの一部という位置づけとなっており、現状を正確に把握する「市場調査」があってこそ、戦略立案の精度も上がります。

市場調査にはどんな手法がある?種類別の選び方

市場調査には複数の手法があり、何を明らかにしたいかによって最適なアプローチは異なります。

大きく分けると、数値を集める「定量調査」と、行動や心理の理由を探る「定性調査」があり、公開されている統計や資料を調べる「デスクリサーチ」と組み合わせて使います。

定量調査(数値の収集・分析)

定量調査とは、選択肢形式や評価スケールを用いて回答を収集し、その結果を統計的に集計・分析する手法です。

「どれくらいの人が」「何を支持しているか」という傾向を、パーセンテージや平均値などの客観的な数値として把握するのに適しています。

主な定量調査の手法は、以下のとおりです。

主な定量調査の手法
  • Web主流
    ネットリサーチ(インターネット調査)
    現在広く使われている手法。Web上のアンケートフォームを通じて回答を回収する
  • 郵送
    郵送調査
    対象者の自宅や企業に調査票を郵送し、返送してもらう手法
  • 電話
    電話調査
    オペレーターが対象者に電話をかけ、口頭で回答を得る手法

定性調査(行動や心理の深掘り)

定性調査は、数値化できない個人の意見・感情・行動の背景にある「理由」を深く探るための手法です。

「なぜそのような行動をとったのか」「本音ではどう感じているのか」といった、アンケートだけでは捉えきれないインサイトを引き出すことができます。

主な定性調査の手法は、以下のとおりです。

主な定性調査の手法
  • 1対1
    デプスインタビュー(一対一インタビュー)
    インタビュアーと対象者が一対一で対話を行い、数値化できない深層心理や行動の背景を深掘りする手法
  • FGI
    グループインタビュー(FGI)
    数名の対象者に1つのテーマで座談会を行ってもらい、参加者同士の相互作用から多角的な意見やアイデアを抽出する手法
  • 覆面
    覆面調査(ミステリーショッパー)
    調査員が一般客を装って店舗やサービスを利用し、接客の質や顧客目線での実態を客観的に評価する手法

下の表に出てくる「デスクリサーチ」は、官公庁の統計、業界団体の公表資料、競合企業のWebサイトなど、すでに公開されている情報(二次データ)を集めて整理する方法です。費用をかけずに始められるため、最初にデスクリサーチで全体像をつかみ、足りない部分をアンケートやインタビューで補う進め方が一般的です。

目的別・調査手法の選び方は、以下の表のとおりです。

※スマホでは表を横にスクロールできます
調査目的 おすすめ手法 補足
市場規模・シェア把握 デスクリサーチ+アンケート 二次データで概算→必要なら定量で補強
顧客ニーズ・不満の深掘り デプスインタビュー・FGI 定性で仮説形成
施策前の仮説検証 ネットリサーチ(定量) サンプル設計に注意
競合・価格感の把握 デスクリ+競合サイト調査 公開情報の整理から

市場調査を進めるための基本的な手順

調査手法を選んだあとは、実際に調査を進めるための手順を踏む必要があります。

手順を飛ばすと、データは集まっても「結局どうすればいいのか」が見えない結果になりがちです。基本の流れは次の5ステップです。

市場調査の基本の5ステップ
  1. 1
    STEP 1
    調査目的の明確化
  2. 2
    STEP 2
    調査対象とサンプリング手法の選定
  3. 3
    STEP 3
    調査票の作成と実査の実施
  4. 4
    STEP 4
    データの集計・分析
  5. 5
    STEP 5
    調査結果のレポート化と施策への反映

調査目的の明確化

市場調査において最初にすべきことは、「何を明らかにするために調査を行うのか」というゴールの定義です。

目的が曖昧なまま調査を始めると、質問項目がぼやけ、集まったデータからどんな示唆を引き出せばよいかが判断できなくなり、結果として「データはあるが活かせない」という状況に陥ります。

調査前に「この調査で明らかにすることが、どのビジネス上の課題の解決につながるのか」を言語化しておくことが、後工程の効率を大きく左右します。

調査対象とサンプリング手法の選定

調査の「精度」は、誰に・何人に・どうやって聞くかによって大きく左右されます。

誰に聞くか

調査対象は、調査目的に合わせて条件を細かく設定することが重要です。

「自社の既存顧客」なのか「競合サービスを使っている人」なのかによって、得られる示唆はまったく異なります。

年齢・性別などの属性だけでなく、「過去1か月以内に商品を購入した」「競合のサービスを利用している」といった行動条件で絞り込むことで、調査の精度が高まります。

何人に聞くか

必要な回答者数は、調査目的や母集団の規模、求める精度などによって異なります。一般的な目安の一例として、以下のように考えられます。たとえば400名は、回答の比率が50%前後の設問で、信頼度95%のときの誤差がおよそ±5%に収まる人数です。

回答者数の目安
  • 100名
    おおまかな傾向や多数派・少数派を把握したい場合
  • 400名
    一定の精度で全体の傾向を把握したい場合の目安
  • 1,000名以上
    より細かな属性別の分析や、高い精度を求める場合の目安

※上記の人数は一般的な目安です。調査の目的や母集団、対象者の条件、求める精度などによって、適切な回答者数は異なります。

どうやって選ぶか(サンプリング手法)

調査対象の選び方には、大きく2種類があります。

サンプリング手法の2種類
  • ランダムに選ぶ 無作為抽出 対象者をランダムに選び、市場全体の縮図を作る方法
  • 条件で選ぶ 有意抽出 「競合サービスの利用者」など、条件に合致する層を意図的に選ぶ方法

※Webサイトの利用履歴などの行動履歴に基づいて対象者を設定する場合は、適用される法令や利用する媒体・サービスのポリシーに従って実施する必要があります。

調査票の作成と実査の実施

調査目的と対象が決まったら、具体的な質問項目を設計し、調査を実施します。

調査票を作成する際に特に注意したいのは、「回答者が迷わず正確に答えられるか」と「回答を一定の方向へ誘導していないか」という2点です。

誘導的な質問になっていると、データが実態を反映しない偏った結果になってしまいます。

また、質問数が多すぎると回答者の疲労を招き、後半の設問への回答精度が下がるリスクもあります。

調査票は、聞きたいことを絞り込んだシンプルな設計にしておくと、回答の質が保ちやすくなります。

データの集計・分析

回収したデータは、まず「データのクリーニング」を行うことが必要です。

回答時間が極端に短いもの、設問間で内容が矛盾しているものなど、信頼性の低い回答を除外することで、分析の精度が高まります。

クリーニングを経たデータは、「単純集計」と「クロス集計」を使い分けて分析します。

集計の2種類
  • 全体の分布を見る 単純集計 各設問の回答分布(何%がAを選んだか)を把握する基本的な集計
  • 掛け合わせて深掘りする クロス集計 「年代別の購買傾向の違い」「利用頻度と満足度の関係」など、2つ以上の変数を掛け合わせて傾向を深掘りする手法

クロス集計を活用することで、「20代女性は他の年代に比べてX機能への評価が高い」といった、マーケティング施策に直結するインサイトが浮かび上がってきます。

調査結果のレポート化と施策への反映

集計・分析が完了したら、結果をレポートとして整理し、具体的なビジネス施策へと落とし込みます。

レポートの目的は、グラフを並べた報告書を作ることではありません。

調査結果から「次に何をすべきか」というネクストアクションを明文化することが、市場調査の本来のゴールです。

例えば、「顧客の○○という不満が明らかになったため、製品のA機能を改善する」「競合Bに流れているユーザー層のニーズはXであるため、そこを訴求した広告クリエイティブを制作する」といった形で、調査結果を具体的な行動計画にひもづけると、調査にかけた費用を回収しやすくなります。

調査結果を売上につなげる具体的な活用方法

集めたデータは、施策に使われてはじめて売上につながります。

ここでは、市場調査の結果を売上につなげる活用方法を3つ紹介します。

市場ニーズに合わせた製品・サービスの改善

調査によって顕在化した「顧客の不満」や「満たされていない期待」を製品・サービスの改善にフィードバックすることで、商品力を直接高めることができます。

「使い勝手が悪い」「説明がわかりにくい」「競合と比べて○○が劣る」といった声は、次期製品の開発要件や既存サービスのUI改善に直接活かせるデータです。

顧客の声を起点とした改善は、成約率の向上やリピート購入率の改善、さらにはLTV(顧客生涯価値)の最大化につながります。

データに基づく改善を繰り返すことで、製品の競争力を保ちやすくなります。

競合他社の強みと弱みを把握した差別化戦略

市場調査において、競合他社の状況を把握することは自社のポジション設計に直結します。

競合サービスのユーザーが「なぜそちらを選んでいるのか」「逆に不満に思っていることは何か」を把握することで、自社が攻めるべき領域が明確になります。

競合がカバーできていない領域を見つけ、そこを自社の強みとして広告コピーや営業トークに反映させることで、競合からの乗り換えを促進することが可能です。

競合と同じ土俵で戦わないための差別化の軸は、調査データから導き出します。競合分析の具体的な進め方は「競合分析のやり方ガイド」、自社・顧客・競合の3つの視点で整理する方法は「3C分析とは?」で解説しています。

市場調査で洗い出した競合URLを広告配信に活かす

市場調査で競合サイトを洗い出せたら、その情報を広告配信に活用する方法もあります。

まず、市場調査で自社のターゲットと重なる競合企業やサービスを洗い出し、対象となるWebサイトのURLを整理します。そのうえでTargetyを使うと、これらのURLをもとに広告配信のオーディエンス設定へつなげられます。どのURLを候補にするかの考え方は「ターゲットサイト(指定URL)の選び方」で解説しています。

Targetyは、指定したURLをもとに、Google広告のオーディエンス機能をAPIで自動作成・運用するツールです。配信対象はTargetyが個人を識別して作るのではなく、Google広告が保有するシグナル(同意済みデータ等)をもとに推定されます。Targetyが個人データを取得することはありません。

つまり、「市場調査で競合サイトを洗い出す→競合URLを整理する→Targetyを活用して広告配信につなげる」という流れで、調査結果を集客施策へ活用できます。運用の現場でも、調査の段階で競合URLを一覧にしておくと、配信の準備にそのまま使えることが多いと感じます。

  1. 1 市場調査で競合サイトを洗い出す
  2. 2 競合URLを整理する
  3. 3 Targetyを活用して広告配信につなげる

なお、ターゲティングやデータ活用にあたっては、適用される法令やGoogle広告など各媒体のポリシーを遵守する必要があります。

市場調査の結果を集客につなげるなら「Targety」

市場調査で競合サイトを洗い出せても、そのサイトに関心を持つユーザー層へ広告を届ける手段がなければ、調査結果を集客に活かしきれません。

この調査と集客の間をつなぐ手段の1つが「Targety」です。検索広告やSNS広告など既存の施策を置き換えるものではなく、それらと組み合わせて使う補完の手段として位置づけています。

Targetyは、指定したURLをもとに、Google広告のオーディエンス機能をAPIで自動作成・運用するツールです。指定URLに関心を持つユーザー層へ、他のサイトやYouTubeを見ているときに広告を表示します。

配信対象はTargetyが個人を識別して作るのではなく、Google広告が保有するシグナル(同意済みデータ等)をもとに推定されます。Targetyが個人データを取得することはありません。

Google 広告の公式機能を土台に、独自の仕組みで購買意向の強い層へ配信を寄せています。同じ URL を指定しても、誰に寄せるかで結果は変わります。仕組みの詳細は「指定URLターゲティングとは?」をご覧ください。

また、画像素材とテキストを入稿すると、最短1分で最大750通りのバナーを自動生成できる機能もあり、クリエイティブ制作の工数を抑えながら改善を回せます。

市場調査の結果を集客の施策までつなげたい方は、Targetyの活用をご検討ください。

まとめ

市場調査は、顧客ニーズ・競合動向・市場規模を客観的に把握し、ビジネス上の判断に根拠を与えるための活動です。

調査を実施する際は、目的の明確化→対象とサンプリングの設計→調査票の作成→データ集計・分析→施策への反映、という5つのステップを丁寧に踏むことが重要です。

そのうえで、調査結果を分析で終わらせず、製品改善・差別化戦略・競合サイトの調査結果を活用した広告配信など、売上につながる形で使い続けることが大切です。

市場調査で見つけた競合URLを広告配信に活かしたい方は、「Targety」の活用をご検討ください。