2026.08.03

行動ターゲティング広告とは?仕組みとCookie規制後の使い分け

行動ターゲティング広告とは?仕組みとCookie規制後の使い分け

行動ターゲティング広告とは、サイトの閲覧履歴・検索・購入といった「その人の行動」から興味・関心を推定し、それに合う広告を表示する手法です。年齢や性別ではなく「いま何を調べているか」を手がかりにするため検討中の人に届きやすい一方、行動を記録する仕組みが制限を受けると、届く範囲が変わります。

この記事は、指定URLターゲティングを提供する Targety(ターゲティ、提供: Talenty合同会社)の公式解説です。定義から収集・分析・配信の 3 ステップ、メリットとデメリット、Cookie 規制で何が変わったのか、どの場面でどの型を使うかまでを、導入 700 社超(提供元公表値、2026 年 8 月)の運用で見てきたことを交えて説明します。

執筆・監修: Targety 運用チーム(Talenty合同会社)|初出 2026 年 8 月 3 日・2026 年 8 月 28 日全面改稿

行動ターゲティング広告とは何か?

答え: 「誰であるか」ではなく「何をしたか」を手がかりに配信先を決める広告の総称です。属性ターゲティングが「30 代・女性・東京在住」のような人口統計で絞るのに対し、行動ターゲティングは「引っ越し業者のサイトを続けて見ている」といった行動から、いま関心のある事柄を推定します。

同じ 30 代の女性でも、来月引っ越す人とそうでない人では、引っ越し業者の広告への反応がまるで違います。属性だけでは見えないこの差を「最近の行動」から読み取ろうとするのが、行動ターゲティングの考え方です。

「行動」として使われるのは、主に次の 4 種類です。

  • 閲覧: どのサイトのどのページを見たか。自社サイトに限らず、媒体の広告枠があるほかのサイトも含みます。
  • 検索: どんな語句を検索したか。検索した語句を後日の配信の起点として使う型(検索履歴を起点にしたディスプレイ配信)が、行動ターゲティングにあたります。検索したその場で検索結果画面に出る検索連動型広告は別の分類ですが、起点が同じ「検索」なので併用しやすい関係です。
  • 購入・申込の手前の動き: カートに入れた、資料請求フォームまで進んだ、といった途中の行動。
  • アプリの利用・動画の視聴: どのアプリを使い、どんな動画を見たか。スマートフォンでは閲覧よりこちらの比重が大きい。

自社サイトに来た人を追いかけるリマーケティングは、行動ターゲティングの代表的な一種です(詳しくは「リマーケティング広告とは」)。ターゲティング広告全体の分類は「ターゲティング広告とは」、利用者の情報に基づく広告全般を指す「パーソナライズド広告」との関係は「パーソナライズド広告とは」をご覧ください。

行動ターゲティング広告はどういう仕組みで動くのか?

答え: 「行動を記録する → 興味・関心を推定する → 推定に合う広告を別の場所で出す」の 3 ステップです。広告主が手を入れるのは 3 ステップ目の条件設定だけで、記録と推定は広告媒体の側で行われます。

行動ターゲティング広告の仕組み3ステップ図。①収集: Cookie・広告識別子・ログインID・同意済みの自社サービス上の行動の4つの手段で行動を記録する ②分析: 広告媒体が行動から興味・関心を推定し、カテゴリやリストに分類する(推定であり本人確認ではない) ③配信: 分類された人が別のサイト・アプリ・YouTubeを開いたときに広告を表示する。広告主に個人データは渡らず、広告主が触るのは③の条件だけ
図1: 行動ターゲティング広告の 3 ステップ。行動した場所ではなく、別の場所で広告が出る

ステップ 1: 行動を記録する(収集)

記録の手段は 4 つあり、どれを使うかで Cookie 規制の影響が変わります。

  1. Cookie: サイトを訪れたときにブラウザへ保存される小さな記録です。訪れたサイト自身が置くものと、広告配信会社などサイトの外の事業者が置くもの(サードパーティ Cookie)があります。
  2. 広告識別子: スマートフォンのアプリに割り当てられる広告用の ID(iOS は IDFA、Android は AAID)で、アプリをまたいで同じ端末を識別するために使われてきました。
  3. ログイン ID: Google アカウントのように、ログインして使うサービスの中での行動。端末やブラウザが変わっても同じ人として扱えます。
  4. 同意済みの自社サービス上の行動: 検索や YouTube の視聴のように、プラットフォームが自社サービスの中で、利用者の設定に沿って集めた行動。広告主のサイトに何かを置く必要はありません。

ステップ 2: 興味・関心を推定する(分析)

集まった行動をもとに、広告媒体が「この端末は引っ越しに関心がありそうだ」と判断し、カテゴリやリストに分類します。行われているのは推定であって、本人確認ではありません。家族で共用しているパソコンなら、家族全員の行動が混ざる。精度は媒体側の仕組みに依存し、保証されるものではありません。

ステップ 3: 推定に合う広告を別の場所で出す(配信)

分類された人が、媒体の広告枠を持つ別のサイトやアプリ、YouTube を開いたとき、その分類に合う広告が表示されます。引っ越し業者のサイトを見た瞬間にそのページ上で出るのではなく、後日ニュースサイトを読んでいるときにバナーが出る。行動した場所と、広告が出る場所は別です。

行動ターゲティング広告のメリットとデメリットは?

答え: メリットは「検討中の人に届く」「無駄な表示を減らせる」「反応から次の手を打てる」こと、デメリットは「新しい層には届きにくい」「追いすぎると嫌われる」「記録の仕組みが制限されると母数が減る」ことです。多くは同じ性質の裏表で、片方だけを取ることはできません。

メリット どういうことか
検討中の人に届く 「いま調べている」行動を起点にするので、属性だけで絞るより問い合わせや購入に進みやすい層に当たる
無駄な表示を減らせる 関心のなさそうな人への表示を減らし、同じ予算を関心のある層に寄せられる
反応から次の手を打てる どの行動を起点にした配信が反応したかが集計で分かる。起点の選び直しや素材の差し替えに使える
検討の途中で接点を作れる 検索されるのを待たず、比較している最中の人に自社を見せられる
デメリット どういうことか
新しい層には届きにくい 過去の行動が前提なので、まだ何も調べていない人には当たらない。認知を広げる目的には別の手法が要る
追いすぎると嫌われる 同じ広告が何度も出ると「見張られている」印象を与える。表示回数の上限と除外の設定が前提になる
記録の仕組みが制限されると母数が減る Cookie や広告識別子で追う型は、ブラウザや OS の制限で記録が残りにくい。配信量が静かに落ちる
推定なので外れる 共用端末や一時的な興味も「関心あり」に入る。精度は保証されず、外れた分は予算の無駄になる

運用の現場で多いのは、3 つ目に気づかないまま「最近効きが悪い」と感じているケースです。設定は何も変えていないのに、対象になる人の数が静かに減っている。設定をいじる前に、行動の記録がどこに残っているかを確かめたほうが早い場面を、何度も見てきました。

Cookie 規制で行動ターゲティング広告はどう変わったのか?

「使えなくなった」わけではなく、「行動をどこに記録するか」で影響の出方が分かれるようになりました。Cookie や広告識別子で人を追いかける従来型は記録が残りにくくなり、プラットフォームが自社サービス内の同意済みの行動から推定する型は影響を受けにくい。この違いが、いまの行動ターゲティング広告を理解する軸になります。

行動ターゲティング広告の2つの型の対比図。左の従来型はCookieや広告識別子で人を追跡し、記録の場所は利用者のブラウザや端末で、サードパーティCookieのブロックや広告識別子の許可制の影響を受けやすく、代表例はリマーケティング。右の推定型はプラットフォームが自社サービス上の同意済みの行動シグナルから関心の高い層を推定し、記録の場所はプラットフォーム側で、ブラウザの制限に依存しにくく、代表例は指定URLターゲティング。どちらも対象は推定で精度は保証されない
図2: 追跡する従来型と、推定する型。違いは「記録がどこに残るか」

従来型: Cookie・広告識別子で追いかける

サイト A で付けた Cookie をサイト B でも読み取れば、同じ人だと分かる。従来型は、この「サイトをまたいで追う」仕組みに支えられてきました。Apple の Safari は、サイトをまたいで人を追跡するサードパーティ Cookie を既定でブロックし、スクリプトで付与されるファーストパーティ Cookie の保持期間にも制限をかけています(Apple WebKit「Tracking Prevention in WebKit」)。

アプリも同様です。App Tracking Transparency により、アプリが広告識別子を使って他社のアプリやサイトをまたいで利用者を追跡するには、本人の許可が必要になりました(Apple Developer「User Privacy and Data Use」)。

一方の Google Chrome は、サードパーティ Cookie を一律に廃止する方針はとらず、利用者がブラウザの設定で選ぶ現在の方式を維持すると発表しました(Google Privacy Sandbox, 2025 年 4 月)。ブラウザや OS ごとに記録の残り方が違う、というのが現在地です。実際に相談を受けるとき、最初に見るのは配信の設定ではなく、対象人数の推移です。設定を触っていないのに対象が減っている場合と、対象は変わらないのに反応だけが落ちている場合とでは、打つ手がまったく違います。前者は記録の場所の問題で、後者は素材か起点の問題です。リマーケティングへの影響は「リマーケティング広告とは」で扱っています。

推定型: プラットフォーム側の同意済みシグナルから推定する

もう一つの型は、Google 広告のように、検索や YouTube など自社サービス上の同意済みの行動シグナルから「このテーマや URL に関心の高い層」を推定するものです。広告主のサイトに置いた Cookie で人を追いかけるわけではないため、ブラウザ側の Cookie 制限には依存しにくい。ただし対象はあくまで推定で、精度は保証されません。

指定URLターゲティングは、この推定型にあたる手法です。見込み客がよく見る URL(競合の料金ページや業界の比較サイトなど)を登録すると、Google 広告がその URL に関心の高い層(その URL を訪れた人と、行動・関心が近いと推定されたユーザー)を組成し、その層が別のサイトやアプリ、YouTube を見ているときに広告を出す。Targety では、この Google 広告の公式機能を土台に、独自の仕組みで購買意向の強い層へ配信を寄せています。同じ URL を指定しても、誰に寄せるかで結果は変わります。

定義と向く企業は「指定URLターゲティングとは」、データの流れは「競合サイトの訪問者に広告を出す仕組み」で図解しているので、あわせてご覧ください。

どの場面でどの型を使うか? 起点で選ぶ使い分け

答え: 「起点にできる行動が、自社の手元にあるか」で決まります。自社サイトの訪問者が十分にいるならリマーケティング、まだ自社を知らない検討層に届けたいなら、他社の URL の関心層を起点にする指定URLターゲティングが候補です。

いまの状況 起点になる行動 向く手法
自社サイトの訪問者は多いが、問い合わせにつながらない 自社サイトへの訪問 リマーケティング(訪問者を呼び戻す)
商材名や課題で検索されている 検索した語句 検索連動型広告(行動ターゲティングの外。探している人をその場で取る)
訪問者そのものが少なく、リマーケティングが伸びない 競合サイトや比較サイトの閲覧 指定URLターゲティング(自社を知らない検討層を連れてくる)
まだ誰も調べていない新しい商材を知ってもらいたい 起点にできる行動が手元にない(認知を広げたい) 属性(性別・年齢・地域)ターゲティングなど、行動を起点にしない広い認知目的の配信

なお、興味関心(アフィニティ)カテゴリは過去の閲覧行動から作られるため、行動ターゲティングの一種です。まだ何も調べていない層には、こちらも同じく届きにくい点に注意してください。

店舗ビジネスでは、行動の起点に位置情報を掛け合わせるのが基本です。Targety の位置情報は「地点+半径(1km 単位)」で指定し、市区町村の居住者を抽出する機能ではありません。競合店のページに関心の高い層のうち、自店を中心とした半径の範囲にいる人に配信を絞る組み方になります。

公表している結果では、クラウド POS レジの提供企業でデモ申し込み・アカウント開設 130% 増、全国展開のビジネスホテルチェーンで指名検索数 300% 増という結果が出ています(いずれも提供元公表値。各社の環境での結果で、同じ成果を保証するものではありません)。ほかの業種は導入事例一覧にまとめています。

始める前に確認しておく 3 つのこと

答え: 「起点にする行動を 1 つに決める」「行動の記録がどこに残るかを把握する」「表示回数の上限と購入済みの人の除外を配信前に入れる」の 3 点です。設定そのものは各媒体の管理画面でできます。差がつくのは、この 3 点を始める前に決めているかどうかです。

  1. 起点にする行動を 1 つに決める: 「自社サイトの訪問」「検索」「競合サイトの閲覧」のどれを起点にするかで、使う手法も届く範囲も変わります。最初から全部を混ぜると、何が効いたのか分からなくなる。
  2. 記録がどこに残るかを把握する: 自社サイトの Cookie に頼る型なら、ブラウザの制限で母数が目減りしやすい前提で、訪問者数と配信対象の人数を並べて見る習慣を作ります。プラットフォーム側の推定に任せる型なら、対象が推定である前提で、起点の URL やテーマの選び方に時間を使ってください。
  3. 追いすぎない設定を先に入れる: 同じ人への表示回数の上限と、購入・申込を終えた人の除外を、配信開始前に決めておきます。後から入れると、それまでの予算はすでに「嫌われる方向」に使われた後です。

なお、行動をもとに配信する広告はパーソナライズド広告に該当し、健康状態や経済状況などセンシティブな属性に基づく訴求は Google 広告ポリシーで制限されます(Google 広告ポリシー「パーソナライズド広告」)。業種そのものが使えないという意味ではなく、最終判断は Google の審査です。

よくあるご質問

Q. 行動ターゲティング広告とリマーケティング広告は同じものですか?

同じではありません。リマーケティング広告は、行動ターゲティング広告のうち「自社サイトやアプリへの訪問」という行動だけを起点にする一種です。行動ターゲティング広告には、検索した語句や他社サイトの閲覧など、自社の外での行動を起点にする手法も含まれます。

Q. Cookie 規制で行動ターゲティング広告は使えなくなりますか?

使えなくなってはいません。Cookie や広告識別子で人を追いかける従来型は、Safari のサードパーティ Cookie ブロックやアプリの追跡許可制で記録が残りにくく、母数が目減りしやすくなりました。プラットフォームが自社サービス上の同意済みの行動から推定する型は、この影響を受けにくい仕組みです。

Q. 広告主は、利用者の閲覧履歴を見られるのですか?

見られません。行動の記録と興味・関心の推定は広告媒体の側で行われ、広告主が受け取るのは表示回数やクリック数といった集計だけです。「誰がどのページを見たか」の一覧を広告主に渡す仕組みは用意されていません。

Q. 行動ターゲティング広告とパーソナライズド広告は何が違いますか?

パーソナライズド広告は、利用者の情報に基づいて配信する広告の総称で、Google 広告ポリシーでもこの語が使われています。行動ターゲティング広告は、そのうち閲覧や検索などの行動データを手がかりにするものを指します。属性や位置情報に基づく配信も、パーソナライズド広告の一部です。

Q. 自社サイトに来たことがない人にも広告を出せますか?

出せます。リマーケティングでは自社サイトの訪問者に限られますが、競合サイトや比較サイトなど指定した URL に関心の高い層に広告を出す指定URLターゲティング(Targety)なら、まだ自社を知らない検討層が対象になります。対象は推定で、訪問者本人だけに限定する機能はなく、精度も保証されません。

次の一歩: いま回している広告が「自社に置いた Cookie で追う型」だけなら、訪問者数と配信対象の人数を並べて見てください。差が開いているなら、記録の場所が違う型を足す段階です。見込み客がよく見る競合サイトや比較サイトの URL を 3 本ほど挙げてお問い合わせいただければ、その URL で狙える層と配信の組み方をお返しします。Targety の全体像は「Targety(ターゲティ)とは」、料金は料金プランと選び方をご覧ください。

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