2026.08.03

リマーケティング広告とは?仕組み・メリット・Cookie規制後の使い分けを解説

リマーケティング広告とは?仕組み・メリット・Cookie規制後の使い分けを解説

リマーケティング広告とは、自社の Web サイトやアプリを一度訪れた人に対して、その人が別のサイトやアプリ、YouTube を見ているときに再び広告を表示する手法です。すでに自社を知っている人だけに絞れるので効率は高い一方、届く範囲は「自社サイトに来た人の数」が上限になります。

この記事は、指定URLターゲティングを提供する Targety(ターゲティ、提供: Talenty合同会社)の公式解説です。リマーケティング広告の定義と仕組み、メリット・デメリット、Cookie 規制で何が変わったのか、そして「自社に来ていない人」まで対象を広げる指定URLターゲティングとの使い分けを、導入 700 社超(提供元公表値、2026 年 8 月)の運用で見てきたことを交えて説明します。

執筆・監修: Targety 運用チーム(Talenty合同会社)|初出 2026 年 8 月 3 日・2026 年 8 月 28 日全面改稿

リマーケティング広告とは何か?

答え: 自社サイトの訪問者を「リスト」として記録しておき、そのリストに入っている人が別の場所を閲覧しているときに広告を出す手法です。Google 広告ではこのリストを「データ セグメント」と呼びます(Google 広告ヘルプ「データ セグメントについて」)。ほかの広告媒体にも同じ考え方の機能があり、「リターゲティング広告」という呼び名も同じ手法を指します。Google 広告では「リマーケティング」、それ以外の媒体では「リターゲティング」と呼ばれることが多い、という違いだけです。

身近な例でいえば、通販サイトで靴を見たあとにニュースサイトを開いたら、その靴の広告が出てきた、というあの体験です。追いかけているのは「その靴を見た人」で、広告が出る場所は通販サイトの外。「自社で記録した訪問者を、外の場所で呼び戻す」という構造が、リマーケティング広告のすべてです。

ターゲティング広告全体の中での位置づけは「ターゲティング広告とは」で整理しています。閲覧履歴などの行動データをもとにする広告全般については「行動ターゲティング広告とは」をご覧ください。

リマーケティング広告はどういう仕組みで動くのか?

答え: 「タグを置く → 訪問者がリストに入る → リストの人が別の場所を見る → 広告が出る」の 4 ステップです。広告主が用意するのは、サイトに置くタグと「誰をリストに入れるか」の条件だけで、追いかける作業そのものは広告媒体が行います。

リマーケティング広告の仕組み4ステップ図。①自社サイトに計測タグを置く ②訪問者がブラウザのCookieなどで記録されリストに入る ③リストの人が別のサイト・アプリ・YouTubeを開く ④その人に自社の広告が表示される。リストに入るのは自社サイトに来た人だけなので、届く人数の上限は自社の訪問者数になる
図1: リマーケティング広告の 4 ステップ。届く人数の上限は、ステップ 2 でリストに入った人の数で決まる
  1. 自社サイトにタグを置く: 広告媒体が発行する計測用のタグを、サイトの全ページに設置します。タグがないページの訪問者は記録されません。
  2. 訪問者がリストに入る: タグを踏んだブラウザやアプリが、媒体側のリストに記録されます。「料金ページを見た人」「カートに入れて買わなかった人」のように、見たページや行動でリストを分けられます。
  3. リストの人が別のサイト・アプリを見る: リストに入っている人が、その媒体の広告枠を持つサイトやアプリ、YouTube を開く。ここが配信のきっかけです。
  4. 広告が表示される: リストに入っている人に向けて自社の広告が出ます。購入完了ページまで到達した人はリストから除外する、といった設定も同じ画面から可能です。

ステップ 2 の「記録」には、ブラウザの場合は Cookie が使われます。ここが、後述する Cookie 規制の影響を受ける場所です。リストには「どのくらいの期間残すか」も設定でき、期間を過ぎた人は自動でリストから抜けます。

ここが上限になる。リストに入るのは「自社サイトに来た人」だけです。リマーケティング広告で届く人数は、予算をいくら積んでも自社サイトの訪問者数を超えません。訪問者が少ない企業ほど、この上限に早く当たります。

リマーケティング広告のメリットとデメリットは?

答え: メリットは「検討途中の人を呼び戻せる」「成約に近い層に絞れる」「出さない相手を決められる」こと、デメリットは「新規の顧客は増えない」「母数が訪問者数で頭打ち」「追われている印象を与えやすい」ことです。一覧で見比べると、メリットとデメリットが同じ性質の裏表だと分かります。

メリット どういうことか
検討途中の人を呼び戻せる サイトを見ただけで離れる人は多い。比較のために離れた人に、決める前にもう一度自社を見せられる
成約に近い層に絞れる 自社をすでに知っている人が対象。初見の人より問い合わせや購入に進みやすく、獲得単価を抑えやすい
出さない相手を決められる 購入完了者や短時間で離脱した人をリストから外し、見込みのある人に予算を寄せられる
小さく始められる 対象が限られる分、配信量は大きくならない。まず少額で試す施策として向く
デメリット どういうことか
新規の顧客は増えない 対象は自社に来た人だけ。自社を知らない検討層には届かない
母数が訪問者数で頭打ち 予算を増やしても、リストの人数以上には広がらない。同じ人への表示回数だけが増えていく
追われている印象を与えやすい 同じ広告を何度も見せると不快感につながる。表示回数の上限(フリークエンシー)の設定が必要
ブラウザの制限でリストが溜まりにくい Safari など一部のブラウザでは記録が残りにくく、以前より母数が目減りしやすい(次の章で説明)

デメリットのうち、運用で見落とされやすいのが「母数の頭打ち」です。ディスプレイ広告をリマーケティングだけで回している場合、予算を増やしても表示は同じ人に集中していきます。「広告費を増やしたのに問い合わせが増えない」という状態は、たいていこの上限に当たっているサインです。既存ユーザー向け配信が枯渇していく構造は、アプリのリエンゲージメント広告も含めて「リエンゲージメント広告の限界と Cookie 規制」で扱っています。

Cookie 規制でリマーケティング広告は何が変わったのか?

「使えなくなった」のではありません。正確には、ブラウザによってリストに残りにくくなり、母数が目減りしやすくなりました。影響の大きさはブラウザで差があり、一律ではありません。

Cookie規制でリマーケティングのリストが溜まりにくくなる構造図。従来は訪問者がタグで記録されリストに残り配信対象になっていたが、ブラウザの制限後は一部の訪問者の記録が残らない、または早く消えるためリストに入らない・すぐ抜ける人が出て、配信対象が目減りする。Safariはサードパーティ Cookie を既定でブロックし、Chromeは利用者が選ぶ方式を維持している
図2: サイトの訪問者数は変わらないのに、リストに残る人が減る。これが Cookie 規制の実際の影響

Apple の Safari は、サイトをまたいで人を追跡するサードパーティ Cookie を既定でブロックし、スクリプトで付与されるファーストパーティ Cookie の保持期間にも制限をかけています(Apple WebKit「Tracking Prevention in WebKit」)。一方の Google Chrome は、サードパーティ Cookie を一律に廃止する方針はとらず、利用者がブラウザの設定で選ぶ現在の方式を維持すると発表しました(Google Privacy Sandbox, 2025 年 4 月)。「Cookie が全部消えた」わけではなく、ブラウザごとに記録の残り方が違う状態になった、というのが現在地です。

リマーケティングにとっての問題は、記録が残らない人や早く消える人が出ると、その人はリストに入らないか、すぐに抜けてしまうことです。サイトの訪問者数は変わらないのに、広告を出せる人数は減る。配信量が小さくなれば、学習に使えるデータも少なくなります。スマートフォンで Safari を使う人が多い顧客層ほど、この影響は出やすい構造です。

ただし、影響の度合いは業種や訪問者層で変わるため、「何割減る」と一律には言えません。広告管理画面で、リストの人数(サイズ)が訪問者数に対してどう推移しているかを見るのが、いちばん確かな確認方法です。「訪問者数は横ばいなのに配信量が落ちてきた」なら、まずここを疑ってください。

対策としてよく語られる同意管理やサーバー側の計測は、記録の取りこぼしを減らす手段です。どれも、リストの母数を「自社の訪問者数」以上に増やすものではありません。母数そのものを増やすには、リストの上流、つまり自社サイトに来る前の段階に手を打つ必要があります。

自社に来ていない人にはどう届けるか? 指定URLターゲティングとの使い分け

答え: リマーケティングが「自社に来た人を追う」手法なのに対し、指定URLターゲティングは「競合サイトや比較サイトなど、指定した URL に関心の高い層」に広告を出す手法です。置き換えではなく、リマーケティングの上流に足して使います。

リマーケティング広告と指定URLターゲティングの対比図。リマーケティングは起点が自社サイトの訪問者で、届くのは一度来た人、上限は自社の訪問者数、役割は呼び戻し。指定URLターゲティングは起点が指定したURL(他社サイト可)の読者で、届くのはまだ自社を知らない検討層と類似ユーザー、上限は指定URLの集客力、役割は上流に足すこと。指定URLターゲティングで自社サイトに来た人はリマーケティングのリストに入るため、併用すると下流のリストも増える
図3: 追う相手が違う。指定URLターゲティングで連れてきた訪問者は、そのままリマーケティングのリストに入る

広告主が登録するのは、見込み客がよく見る URL です。競合の料金ページ、業界の比較サイト、関連サービスの紹介ページなど、他社のページでかまいません。Google 広告がその URL に関心の高い層(その URL を訪れた人と、行動・関心が近いと推定された人)を組成し、その層が別のサイトやアプリ、YouTube を見ているときに広告が表示されます。対象は推定であり、訪問者本人だけに限定する機能はなく、精度も保証されるものではありません。Targety では、この Google 広告の公式機能を土台に、独自の仕組みで購買意向の強い層へ配信を寄せています。同じ URL を指定しても、誰に寄せるかで結果は変わります。

Cookie との関係も、リマーケティングとは違います。指定URLターゲティングでは、対象の推定を Google 広告が、検索や YouTube など Google のサービス上の同意済みの行動シグナルをもとに行い、広告主のサイトに置いた Cookie でリストを作るわけではありません。Targety が個人を識別する情報を取得することもなく、ブラウザ側の Cookie 制限には依存しにくい仕組みです。定義と向く企業は「指定URLターゲティングとは」、データの流れは「競合サイトの訪問者に広告を出す仕組み」で図解しています。

どちらを先に打つか:状況別の目安

いまの状況 先に手を打つ手法 理由
自社サイトの訪問者は多いが、問い合わせにつながらない リマーケティング リストは十分にある。呼び戻しと除外の設計で成約率を上げる段階
訪問者そのものが少なく、リマーケティングの配信量が伸びない 指定URLターゲティング 上流で「自社を知らない検討層」を連れてくる。訪問者が増えればリストも増える
検索広告の獲得単価は良いが、件数が増えない 指定URLターゲティング 検索されるのを待たず、比較検討中の層に先に接点を作る
店舗ビジネスで、商圏の外に広告が出るのを避けたい 指定URLターゲティング+位置情報 指定 URL の関心層のうち、店舗の地点から半径で絞った人にだけ配信する

店舗の位置情報は「地点+半径(1km 単位)」で指定します。「市区町村の居住者」を抽出する機能ではなく、GPS や IP アドレスなどから推定したその範囲にいる人に配信を絞る形です。

配信範囲の広さは業種で変わります。公表している結果では、全国展開のビジネスホテルチェーンでは指名検索数 300% 増、着物レンタルチェーンでは来店予約数 110% 増、クラウド POS レジの提供企業ではデモ申し込み・アカウント開設 130% 増という結果を公表しています(いずれも提供元公表値。各社の環境での結果で、同じ成果を保証するものではありません)。ほかの業種は導入事例一覧にまとめています。

併用すると何が起きるか。指定URLターゲティングで自社サイトに来た人は、リマーケティングのタグを置いていれば、そのままリマーケティングのリストに入ります。上流を足すと、下流のリストも太る。Cookie 規制後にリマーケティングを生かし続けるなら、この順番で組むのが現実的です。

始める前に決めておく 4 つのこと

リマーケティング広告そのものは、広告媒体の管理画面から設定できます。差がつくのは設定の速さではなく、始める前に次の 4 点を決めているかどうかです。

  1. 誰をリストから外すか: 購入・申込を完了した人、採用なら応募済みの人を除外します。ここを決めないと、すでに顧客になった人に広告費を使い続けます。
  2. 同じ人に何回まで見せるか: 表示回数の上限を決めます。決めないまま母数の小さいリストに配信すると、同じ人に集中して「追われている」印象だけが残る。
  3. リストの人数をどう確認するか: 訪問者数とリストの人数(サイズ)を並べて見る習慣を作ります。差が開いてきたら、Cookie 制限で記録が落ちているサインです。
  4. 訪問者が足りないとき、どこから連れてくるか: リマーケティングは訪問者を増やしません。「自社を知らない検討層」を連れてくる手法を、最初から上流に置いておきます。

よくあるご質問

Q. リマーケティング広告とリターゲティング広告は同じものですか?

同じ手法を指します。Google 広告では「リマーケティング」、ほかの媒体では「リターゲティング」と呼ぶことが多く、「自社サイトの訪問者をリスト化して別の場所で広告を出す」という仕組みは共通です。Google 広告ではこのリストを現在「データ セグメント」と呼んでいます。

Q. Cookie 規制でリマーケティング広告は使えなくなりますか?

使えなくなってはいません。Safari のようにサードパーティ Cookie を既定でブロックするブラウザではリストに残りにくく、Chrome は利用者が設定で選ぶ方式を維持しています。結果としてリストの母数が目減りしやすい状態で、根本の対策は「上流で訪問者そのものを増やす」ことになります。

Q. 自社サイトに来たことがない人にも広告を出せますか?

リマーケティング広告では出せません。対象は自社サイトやアプリの訪問者に限られます。競合サイトや比較サイトなど、指定した URL に関心の高い層に広告を出したい場合は、指定URLターゲティング(Targety)が該当します。対象は推定で、訪問者本人だけに限定する機能はありません。

Q. リマーケティング広告と指定URLターゲティングは併用できますか?

できます。役割が違うため、併用が基本の組み方です。指定URLターゲティングで自社を知らない検討層を自社サイトへ連れてきて、来た人をリマーケティングで呼び戻す、という上流・下流の関係になります。指定URLターゲティングで来た訪問者は、そのままリマーケティングのリストに入ります。

Q. 指定URLターゲティングの料金はいくらですか?

月額固定制で、クリック課金ではありません。初期費用と最低利用期間 3 ヶ月があり、プランによって指定できる URL 数・エリア・配信方式が変わります。最新の料金と選び方は公式解説ページの料金プランと選び方をご確認ください。

次の一歩: 自社の広告管理画面で、リマーケティングのリストの人数と、月の訪問者数を並べてみてください。リストが訪問者数に対して小さい、あるいは予算を増やしても配信が同じ人に集中しているなら、上流を足す段階です。見込み客がよく見る競合サイトや比較サイトの URL を 3 本ほど挙げてお問い合わせいただければ、その URL で狙える層と、リマーケティングと組み合わせた配信の組み方をお返しします。Targety の全体像は「Targety(ターゲティ)とは」にまとめています。

仕組み・料金体系・導入の流れをまとめた資料を用意しています。

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